redhat8fbb JQ1QNV     2003年2月8日

しばらく端末ユーザとしてパケットを運用しておりましたが、

ジャンクパソコンにredhat8をインストールしたのをきっかけに

FBBを運用することになりました。

以下は、その時、気付いたことをまとめたものです。

 

ご存知のとおり、FBBに関しては諸OMの方々がwebで公開されておられますので、

ここでは主に私が体験した特殊な事情・症状について書こうと思います。

 

装置の主な構成は、

パソコン:Aptiva(Pentium133M HDD1.6G)+redhat8

TNC :AMD-TNC ver6

無線機 :IC-207

です。

なお、net-rom,roseは使っていません。

 

作業の流れは下記です。

1.カーネル再構築

2.AX.25ユーティリティ・ライブラリインストール

3.minicomインストール

4.AX.25動作確認

5.FBBインストール・設定

です。

 

 

1.カーネル再構築

 

1.1 カーネルがmakeできない。

 

まずはAX.25を活かす為のカーネル再構築。

カーネルの再構築方法はredhat8付属のドキュメントに詳しく

のっているのでそれにしたがって作業を進めます。

私がAX.25のために(積極的に)設定したものは

AX.25Serial port KISSだけです。

「まぁ、書いてあるとおりタイプするだけなので大した作業ではない」

はずだったのですが、make bzImageのとろで

stdarg.hが見つからないとかで止まってしまいました。

こういうときの常套手段、webで対処法を調べると、ありました。

makefileを編集してパスを設定するそうです。

 

CPPFLAGS := -D__KERNEL__ -I$(HPATH) の後ろに

-I/usr/lib/gcc-lib/i386-redhat-linux/3.2/include

を追加します。

 

この問題はkernel2.4.18に特有の様子で、新しいバージョンでは

解決される予定とどこかに書いてありました。

 

makefileにパスを追加して再度トライ。カーネルを再構築することができました。

 

 

1.2 Serial port KISS driverはカーネルに組みこんではだめ。

 

これには参りました。後の操作のkissattachの時、下記エラーがでるのですが

原因がわかりません。

 

kissattach: Error setting line discipline : TIOCSETD : Invalid argument

Are you sure you have enabled MKISS support in the kernel

or , if you made it a module, that the module is loaded?

 

メッセージの内容からmkiss.oが組みこまれていないのかと思い、

何回かカーネルをmakeしなおしました。それでもだめなので、

もしやと思いwebでしらべてみると、これについても記事がありました

redhatが供給しているkernel2.4.18の場合、

mkissはカーネルに組み込むよりモジュールの方がよい」

のだそうです。が、私の体験としては

mkissをカーネルに組みこんではだめ。」で、「モジュール<M>として組め!」です。

原因はよくわかりませんが、とにかくこうしないとだめなようです。

余談ですが、ローダブルモジュールでの組みこみについて、

昔はaliasの設定とか面倒だったようなのですが、今はただ<M>とするだけで

必要な設定はmakeがやってくれるみたいです。

<*><M>にするだけです。)

 

 

2.AX.25ユーティリティ・ライブラリインストール

 

ライブラリ関係はダウンロードし、解凍、インストール

これは特に問題無かったと思います。

私がインストールしたのは

libax25-0.0.10.tar.gz

ax25-tools-0.0.8.tar.gz

ax25-apps-0.0.6.tar.gz

です。

設定はwww.linux.or.jpAX25-HOWTOが大変参考になります。

私はこのHOWTOのとおり設定して、

とりあえず、AX.25を動作させることができました。

 

3.minicomインストール

 

TNCの設定に端末プログラムが必要ということで

minicomをダウンロード、解凍、インストールします。

今はプログラムが日本語対応になっていてFBですね。

添付のドキュメントにしたがってインストールしました。

これも特に問題は無かったように記憶しています。

入手先は忘れてしまいましたが、yahoo!で検索してすぐ見つかったと思います。

 

 

4.AX.25の確認

 

ここまで終わった段階でAX.25が動作するかどうか確認しておいたほうが良いです。

 

4.1 kissモード

axportsに必要事項を設定し、minicomTNCに接続、

kiss on””restart”kissモードにします。

つづいて、kissattach でネットワーク構成します。

ifconfigで見るとax0というネットワークができるはずです。)

前述でmkissをモジュールとしてインストールする必要があると書きましたが、

そうしないとここでエラーがでてNGです。

また、kissparmtxdを長めに設定しておいたほうが良いかもしれません。

 

 

4.2 モニタ、送受信

listenコマンドでパケットモニターができます。近くにパケット局がある場合は

ワッチしてみましょう。

パケットの設備をもう1つ用意できる方はax25dを動かして送受信のテストを

やってみるのが確実だと思います。

ax25d.confを設定、ax25dを起動します。

これで、コンソールからログインするみたいにパケット端末からlinuxにログインできます。

長いテキストをcatコマンドなどで読むことができれば問題ないでしょう。

なんで「長いテキスト」なのかは次を読んでください。

 

4.2 paclen255?

当初、paclen128に設定していました。

ログインができたので、そのときは喜んだのですが、”ぬか”でした。

短いデータのやり取りは問題ないのですが、少し長くなるとうまくいきません。

端末局側TNCtraceコマンドを使ってパケットの様子をみると、

linux側が同じデータを何度も送った挙句、結局止まってしまっています。

このとき端末局側をmonitor onにしていたのですが、monitorとしては何も表示されません。

たぶんpaclenだろうと、paclen255にするとうまく動作させることができました。

原因はわかりません。

 

5.fbbインストール

ここまでの作業で送受信の準備はできたのでつづいてfbbインストールです。

 

前述のカーネルmake で準備されたキットだけではうまく動かなかったこと、

モジュールの問題で懲りたこと、redhat8用のrpmが無かったことから、

古いredhat用のrpmを使ってもうまく行くとは思えなかったので、

fbbはソースをコンパイルしてインストールすることにしました。

私がインストールしたfbbのバージョンは7.03cです。

7.04がある今、何故7.03cなのかというと、

www.f6fbb.orglast versionsのところに7.03cソースがあり、

このlast versionを勝手に最新版と解釈してしまったことが原因です。

(まぁいいや、もうインストールしちゃったし。)

 

それから、これもまた例によってそのままではうまくインストールされないので

ソースをいじってmakeです。ソースのいじり方についてはJH4XSY/1岩本さんのページが参考になります。

 

あとは設定ですが、これについては私自身、ローカルOMのJE1SGHに頼りきりですので

ここで書けるようなことはありません。

インターネットでの情報もあまり多くないため、これから始められる方は、

最初は経験のあるOMに聞いて、後はwww.f6fbb.orgのドキュメントを読みながら

運用していくのが現実的のように思います。

 

"fbb"と言っている割にはfbbそのものに関する記述は貧弱ですが、

AX.25さえちゃんと動かすことができればfbbはそれほど難しくはないと

言い訳をしておきます。

 

最後に、コツをひとつだけ

MS-Windowstelnet.exeTera-tarmなどでxfbbdと接続する場合、

直接MS-Windowsからxfbbdにつなごうとするとloginを認識しない事象を経験しました。

この場合は、xfbbdがインストールされているlinux機に一旦telnetで接続し、

loginした後そこからxfbbdtelnet接続しなおすとうまく行きます。

Telnetを活かすとセキュリティに問題ありますか・・・ ^^;

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